米国での7月初頭のローンチから一気に火が付いた「ポケモン Go」。これまであまりポケモンのゲーム自体に馴染みがなかったり興味が全くなかった層にとっては、「また、新しい子供向けゲームが出た・・・」的な感想しか持たないと思います。 しかしながら、今回のこの「ポケモン Go」は、様々なビジネスや広告関連業者にとって、大変大きな変革をもたらす要素を多く含んでいます。
つい最近も、マクドナルド社がポケモンと個別に提携を交わし、数多くのマクドナルド店において所謂「ポケスポット」(プレイヤーが様々なアイテムを無料で貰えたり、ポケモンをおびき寄せたりできるスポット)や「ジム」(プレイヤーが手持ちのモンスターを使いバトルができる場所)を事前に設置し、顧客を誘致するという方向性を打ち出しました。 これにより、ウェンディーズよりもマクドナルド、バーガーキングよりもマクドナルド・・・という顧客が増えることは確かで、ファーストフード業界内でマクドナルドが一歩抜き出た形となりました。
既に水面下では、ファーストフード業界以外でも様々な業界大手が、同様のアプローチをポケモンに仕掛けているのは周知の事実で、ポケモンと契約を交わしたビジネスは今後大きく売り上げを伸ばす可能性を手に入れることになります。 他にもこの種の契約によって、その場所しか出現しないレアなモンスターを出現させたり、その場所での友達同士でのトレードを可能にしたり・・・・、とゲーム自体の可能性は無限大で、それにより個々のビジネスの集客手法の向上性も今後大いに高めていくことが可能になります。 その意味では、任天堂と制作会社のNiantic社は、このAugmented Reality ( “AR” – 仮想空間)を使った新たな切り口の広告・集客手法を作り上げたということになります。
前述は、正式にポケモンサイドと契約をし、契約金を支払って・・・というそれなりに大きな予算が必要な集客手法ですが、今回の「ポケモンGo」の利点は、その部分に予算を割きたくない、また割けない中小のビジネス経営者にとっても大いにこのゲームを利用できるところにあります。 まず、特に路面店を経営しているカフェ、レストラン、その他ショップ等で近くにポケストップがある場合はとてもラッキーです。 そこでスタッフが見つけたレアなポケモン等をその場所がわかる形で写真撮影し、自社のSNSサイト等で発信するだけでそのポケモンを捕まえたいポケモンファンが確保の可能性を求めて集まってきます。皆、しばらくその場所にその確保のために滞在し、加えて「ルアー」と呼ばれるポケモンを引き付けるアイテムを使用した場合は、最低でも30分間はその場所に滞在します。 その間、喉が渇いたり、お腹が空いたプレイヤーは、たまたま目に留まったお店にちょっと入ってみよう・・・的な気分になりその周りにあるビジネス環境が潤うことになります。
また、既にポケストップやジムの範囲内にたまたまお店が位置している場合は、よりラッキーです。潜在顧客を引き寄せたい時間に合わせて、スタッフが前述の「ルアー」(購入する場合は、一つ1ドル以下で安価に購入できます)を使用し、これを自社のSNSでその都度発信。それを見たプレイヤーが自然と集まってきくるという寸法です。
このように、今回のポケモンGoはただ単なるスマートフォン用ゲームアプリではなく、使いようによっては、今後多くの業界の広告・集客のやり方を根底から覆す可能性を秘めた未来型ARアプリなのです。
上記内容に関するお問い合わせは、こちらまで。